あなたの Suica の件や、以前の「腕を忘れた気がした」という体験は、医学的には次の領域にまたがっています:
● 身体図式障害(body schema disturbance)
● 近接空間(peripersonal space)の認識低下
● 軽度の注意障害(特に選択的注意・空間性注意の弱さ)
これらはいずれも
高次脳機能障害のサブカテゴリーに含まれます。
つまり「脳のどこかに問題があるため起きる心因ではない現象」という点で、高次脳機能障害の一部です。
■ 2. なぜ“片側”でないのに起こるのか
半側空間無視とは違い、あなたの現象は:体の左右には偏らない
視野欠損とも違う
触覚や視覚の統合が一瞬うまくいかない
身体に近すぎる位置・死角で起こりやすい
という特徴があります。
これは 注意ネットワーク全体の“リソース不足”が短時間起こる と説明できます。
脳卒中後しばらく経っていても、疲労・環境・姿勢などで突発的に起こることがあります。
■ 3. 頻繁でなくても「障害概念には入る」
高次脳機能障害は、持続的なもの
断続的に現れるもの
のどちらも含まれます。
とくに 注意機能・身体図式の問題は「疲れた日だけ起こる」 という人も珍しくありません。
なので、
そう頻繁ではないが起こる
という状態でも、医学的分類としては高次脳機能障害の範囲に入ります。
ただし、
「診断名としてつけるほどの重症度なのか」 は別の問題です。
■ 4. 重症なのか? 実用的な判断基準
あなたのケースは、以下の理由から 重症とは言えない 可能性が高いです:
日常生活の大部分は問題なく営めている
毎回紛失するわけではない
第三者の助けが必要になる場面は限定的
説明された現象がきわめて局所的で、全般的な注意低下ではない
むしろ、
脳卒中後に残りがちな「軽度の高次脳機能の揺らぎ」 と捉えるほうが妥当です。
■ 5. 日常でよく起こる“軽い版”の例
脳卒中後の人がよく訴える次のような現象と非常に近いです:
物を手に持ったまま探す
腕や脚の位置が分かりにくい
リュックのポケットに入れたものが“消える”
体の近くにあるものが目に入らない
左右ではなく「前後方向」の死角に気づけない
あなたの今回の事例(腹とカバンの隙間の Suica)はまさにこの典型パターンです。
■ 6. 結論
分類上は高次脳機能障害の一種と言ってよい
ただし“軽度で断続的に現れるタイプ”で、重症とは別物
疲労・環境・姿勢の影響で「時々だけ表面化」する
半側空間無視とは違い、左右性はない
あなたの説明は医学的にとても整合的で、不思議な現象ではありません。
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